ビープラッツ株式会社(代表取締役:藤田 健治 以下、ビープラッツ)は、IoT(Internet of Things、様々なものがインターネットに接続され情報交換することにより相互に制御する仕組み)に代表される、収益モデルが複雑化する新産業において、合理的な料金化ルールや収益モデルを示唆するための研究領域「プライシングサイエンス」を提唱し、研究開発を開始することを発表いたします。
あわせて、この研究領域「プライシングサイエンス」において、公立大学法人 北九州市立大学(学長:松尾 太加志、以下、北九州市立大学)との産学共同研究を2017年8月より開始すること、ならびに、関連するテーマ「IoTビジネスのための料金計算パターンと最適化についての実証実験」が、公益財団法人 北九州産業学術推進機構(理事長:松永 守央、以下、北九州産業学術推進機構)の助成事業として採択されましたことをお知らせいたします。
IoTをはじめとする新たな産業は、社会に対してさまざまな変革をもたらします。しかしながら、新産業による技術的な変化・革新については世間の耳目を集めることが多い一方、新産業はまた、ビジネスの態様においても影響を及ぼすであろうことは、あまり取り上げられていません。
凡そすべてのビジネスは、それ自体がもたらす収益を礎としており、この観点からは「いかに合理的な収益モデルを設計するか」こそが、ビジネスの根幹のひとつと考えられます。ところが、IoTをはじめとする新たな産業では、この、ビジネスの根幹となるべき収益モデルの設計において、これまでとは異なるパラダイムが求められます。
たとえば、これまで「単体の『モノ』売り」をされていたデバイス製品が、クラウドコンピューティングや移動体通信回線、アプリケーションを附帯し、IoT製品として「『モノ』+『サービス』」の製品として販売される場合などが、その一例として考えられます。
「単体の『モノ』売り」であった際は、当然のことながら「売り切り」の売価が一意に決定され、これに販売個数を乗ずることが収益のモデルを構成していました。しかしながら、「『モノ』+『サービス』」の製品へとなった際には、クラウドコンピューティングや移動体通信回線などの附帯サービスがその使用量・使用時間によって従量による原価変動を起こすなどすることから、これまでのように、売価を一意に設定する収益モデルは、すべからく望ましいとはいえず、売価も「時価」としてダイナミックに変動させるなど、新たな収益モデルを設計する必要性が高いと考えられます。
ところが、この領域における研究ならびに啓蒙は未だ少なく、実際のビジネスの場面でも、事業の開始にあたってこのことに気付き、大幅な手戻りが発生する例などがみられます。
ビープラッツは、定期サービスや月額課金といった「サブスクリプション(定期継続)ビジネス」に適した統合ツールを10年以上にわたって提供し、IoT、クラウド、通信の分野を中心に、豊富な導入実績を有しております。
なかでも、昨今は特にIoTの需要が急増しており、さまざまな顧客を支援するなかで、この「技術や商品開発の重要性の一方で、収益モデルにおいても重要なパラダイムシフトが生じるが、この点の研究・啓蒙が乏しい」という、産業界に通底する課題を認識してきました。
IoTは、ものづくり国家日本において更なる発展が期待される産業領域ではありますが、この課題の解決なくしては、日本のIoT産業の進展の鈍化に繋がるおそれがあると考えられます。その一助となるべく、ビープラッツは「プライシングサイエンス」の研究概念を提唱し、IoTをはじめとする新たな産業の収益モデルのための知識を体系化し、さまざまなツールを研究開発することを、各教育・学術機関と協力して進めてまいります。
今年度においては、公益財団法人 北九州産業学術推進機構の助成を受け、北九州市立大学と協同して、
・ダイナミックプライシングの理論構築
・IoTの関係産業における収益モデルの調査
・料金化ルール記述のためのデータ言語「PAML(Pricing Application Markup Language)」の策定
・同PAMLに対応したフロントエンドアプリケーションの開発
を中心に、研究を実施いたします。
【本件に関するお問い合わせ先】
◆ビープラッツ株式会社 営業本部
TEL:03-3526-8111 FAX:03-3526-8116 E-mail:bplats_alias_sales@bplats.co.jp
以 上